今回はMAVIC独自の『FOREテクノロジー』について、ちょっとディープなプロダクト情報を説明します。
大きく4つのポイントに分けて、アルミホイールのスポーク固定システムを『FOREテクノロジー』徹底解剖!
1999年からMAVICの主軸テクノロジーとして使われていたFOREテクノロジー。 MAVICのアルミホイールがいかに軽量、高剛性なのかを理解していただけるかと思います。
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1.MAVIC独自のFOREドリリング
MAVICでは独自にFOREドリリングというテクノロジーを編み出しました。
まずFOREドリリングとは、リムにスポークを結合するためのテクノロジーです。リムに直接ネジが切られており、そこにスポークがねじ込まれていきます。
元々あるアルミの部材に高温のタップを押し当てながら溶かし込んで、最後にネジ山をつくることで無駄な部材を使わずに軽量なリムをつくることができます。
2.高い耐久性と剛性
FOREテクノロジーを使うことによって、スポークとの結合性のみならず、耐久性も高くなっていきます。
一般的にはニップルでリムとスポークを結合していくのですが、それだとバルブホールに対してスポークの引っ張る力が加わってしまい、アルミが曲がろうとしてしまいます。それに耐えるためにそれなりの厚み、強度が必要になります。
FOREドリリングは実際にリムの面だけでなく、ニップルのサイドにも全体を包み込むようにネジ山がありますので、一般的なニップルの固定システムにくらべ約強度が4倍になっています。
また、通常はニップルを通すための穴が必要になりますが、FOREドリリングを行うことでリムの内部でスポークが固定できます。そのため、リムの外側には穴が開かなくなり、リムの剛性も約20%強度が増します。
3.軽量化
FOREドリリングによってニップル周りの耐久性が高くなったことはお分かりいただけたかと思います。
ニップル周りの耐久性が高くなったことで、必要のない箇所の重量を、ぎりぎりまで削ることが可能になりました。
通常であればニップル部分の強度を保つために厚みはある程度必要ですが、FOREドリリングを使用することによって、極限の状態まで削ることができます。
このテクノロジーはKSYRIUM SLやALLROAD SL等の『ISM 4D』というテクノロジーに使われています。
4.MAVICと言えばUSTチューブレス
FOREテクノロジーでは、スポークをリムに直接ねじ込んで固定していますので、リムのトップ(ベット面)に穴が開いていません。
そうすることで密閉性の高いリムを作ることができるようになり、チューブレスを使う上でリムテープも不要になりました。
密閉性が高く、リムテープ不要で剛性も高い、それを実現したのがFOREテクノロジーです。