MAVICの歴史について

現在の自転車の原型となったのは1885年にイギリスで誕生した安全型自転車(セイフティバイシクル)と言われています。

それから約135年の間、自転車は様々な技術革新を経て現在に至っていますが、その長い歴史に大きな足跡を残した企業のひとつが自転車競技の本場、フランスの自転車部品メーカー、MAVIC(マヴィック)です。

今回の記事では、MAVICのヘリテイジ、とくにエポックメイキングな企業としての側面についてご紹介しようと思います。

 



1889年、MAVICはシャルル・イドゥーとリュシアン・シャネルという二人の人物によってフランス・リヨンで産声を上げました。MAVICという名は「イドゥー&シャネル自転車用品製造所(Manufacture d’Articles
Vélocipédiques Idoux et Chanel)」の頭文字から命名されたものです。

MAVICのロゴ(1923年)


当初はマッドガード(泥除け)を主要製品として事業を展開していましたが、1934年に画期的なテクノロジーの製品を発表してその名を轟かせます。それは世界初となるアルミ合金製のリムです。

伝説の写真 “エプロン マッドガード”


リムというのは自転車のホイール(車輪)の外周部のことです。当時、自転車のリムにはスチール(鉄)または木材が用いられていました。MAVICはそれをアルミ合金に置き換えることで大幅な軽量化に成功したのです。当時のスチール製リムは1.2㎏もあったのに対し、アルミリムは750 gと軽く、とくに登坂において絶大な効果を発揮したと言います。

そのアドバンテージはレースでもすぐに実証されることになります。1934年の「ツール・ド・フランス」において、アントナン・マーニュ選手はMAVIC製のアルミリムを使用し、マイヨ・ジョーヌ(個人総合成績1位の選手に与えられるジャージ)を勝ち取りました。じつは当時のルールではアルミリムの使用が禁止されており、木製リムを模した色にペイントして出場したそう(レース用自転車では鉄より軽い木製リムが主流だった)。自転車ロードレースでの勝利によってアルミリムの優位が広く知れ渡ると、多くのライバルメーカーもこれを追随。アルミリムはたちまち自転車レースの世界でスタンダードとなります。 


さらにMAVICは1999年に「キシリウム」というホイールを発表し、ふたたび業界の常識を打ち破ります。
それまで自転車のホイールというのはハブ、スポーク、リムという別々に設計された部品を組み合わせて構成されていましたが、MAVICはそれらをひとつのものとして設計することで、さらなる軽量化を達成。

マヴィックの画期的なアイディアと航空力学との融合により”Fore”テクノロジーを開発。


それまで難しいとされていたスポークのアルミ化(従来はステンレス製だった)を実現し、自転車レースで大きなアドバンテージを築くことになりました。

ちなみに世界初のワイヤレス電子制御式変速装置も同年に発表しています。こちらは様々な要因によってスタンダードにはなれませんでしたが、その発想に先見の明があったことは、十数年後に電動変速機が大きく普及したことで証明されています。

1999年 メカトロニックの誕生



MAVIC製品と自転車レースは切っても切れない関係にありますが、じつはレースの運営にも大きな関わっています。

1973年から現在に至るまで続く「SSC(スペシャル・サービス・コース)」です。これは選手がパンクや機材トラブルに見舞われた際、国籍や所属チームを問わず、中立の立場で復帰をサポートするサービス。

マヴィックのニュートラルサービス

 

プロやアマチュアのレースのほか、ロングライドイベントなどでも活動しており、我々一般のサイクリストもその恩恵に預かることができる。

日本でも、96年よりスバルから車両提供を受けて同様のサービスを展開しており、コーポレートカラーのイエローにペイントされたMAVICカーは自転車レースファンにはお馴染みの存在となっています。


現在、MAVICは自転車用高性能ホイールを中心にサイクリングウェアやシューズをラインナップしています。革新的な技術によって優れたパフォーマンスと信頼性を同時に満たすというMAVIC製品の一貫したポリシーは、プロ・アマを問わず、多くのサイクリストに支持されているのです。

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